アイドルグループの限界

春は出会いの季節でもありますが、別れの季節でもあります。

2018年の春にアンジュルムリーダー和田彩花さんのグループ卒業、そして関ジャニ∞渋谷すばるさんの事務所脱退が発表され、世間に衝撃をもたらしました。

 

和田さんは仲間と創り上げていったグループを卒業して、1人のアイドルとしてステージで歌い踊り続ける為に。そしてすばるくんは半ばを過ぎた自分の人生を自分の責任で音楽活動をして歩みたいという思いから。

そもそもアイドルグループは歌って踊って音楽活動がメインであるのにも関わらず、なぜ2人はグループを抜ける決断をしたのでしょうか。

 

卒業を発表した直後の和田さんのブログにこんなことが書いてありました。

 

グループで夢を見続けること、
それは大前提である「それぞれの人生」をある程度否定することでもあります。
周りで様々な卒業が続く中、自分が多く言ってきた言葉です。まるで、その言葉で自分を納得させるように。


「それぞれの人生」
そんな当たり前の大前提に自分自身が素直になれなかったのです。
好きでここにいるのにいつかそれぞれの道へなんて前提のもとで活動する意味とは。
私には理解しがたい。


だからきっと自分はグループにいることで「それぞれの人生」ではない夢を追いかけ、それがそれぞれの人生、私の人生なのだと思ってました。 

 

これからも続けていこうと意気込んでいたわけ。みんなで追いかけようとした夢、もしかしたらアンジュルムなら可能では?そんな期待を自ら抱いていました。夢をちらつかせながら結局自分で崩してしまうのか。そんな自分に悲しくもなりました。


自分の求める形は理想化されただけの夢見心地だったのでしょう。
そんなことにはやく気づけばよかったのでしょうか。いや、それさえも気づかなければこの先うまくやれていたでしょうか。
いつしか描かれた未来予想図の通りであればこんなに悩むこともなかったのです。


だけど私をそこまでさせるほどの魅力が、可能性がこのグループにあります。    

 

もしかしたらすばるくんも和田さんと同じ感情だったかもしれないです。自分の本当にやりたいことが見つかった。でも、それはアイドルグループに所属している身としては一生出来ないことなんだと言い聞かせて必死に蓋をしてきた。でも、アイドルという枠組みを越えて音楽活動の幅を広げ始めた関ジャニ∞。もしかしたら…今なら…この7人で自分自身の夢も追いかけられるのではないか…?と。

でもそれはグループの目標ではなくて自分自身の目標であって。それをグループの目標だと押し付けることは出来ない。メンバーを巻き込むことは出来ない。それは我儘でしかないんだと。

それならば、自分の責任で、一から、人生を1人で歩んで行こうと決めたのかもしれないと勝手に推測しています。

 

勿論、すばるくんと和田さんは事務所、性別、境遇など重なる点があまりないことは確かですが、でもこのブログを読んだ時にふとすばるくんも…と思ってしまいました。

 

「アイドル」は「夢を売る職業」とよく言いますが、一体それは誰の夢なんでしょうか?

 

タレント自身の夢?私たちファンの夢? 

 

タレント達は「夢」によって「それぞれの人生」を犠牲にして、本当の「夢」を否定し続けることになる。アイドル活動=「夢」だというアイドルの鑑のようなタレントもいますが、全員が全員そうとは限りません。

私たちファンも知っているのは表の顔のみで、思い描く「夢」もただの幻想でしかないかもしれません。

裏の顔なんてスキャンダルなどが出ない限りほとんど知る由も無い。

 

また、グループとなると利益、責任、損害が何倍にもなって返ってきます。

やはり、アイドルグループという枠組みの中で「それぞれの人生」を歩むということには限界があると思いました。

学業、方向性の違い、ソロ活動、自由恋愛、不祥事など…「それぞれの人生」といえど、世間的に良いことから悪いことまで色んな種類があります。

 

自分の人生を犠牲にし続けてきたアイドルが1人の人間としてそれぞれの人生を生きるということは大きな決断だと思います。

 

渋谷すばるさん、和田彩花さんのお二方のパフォーマンスが好きな身としては残りわずかなアイドル活動を目に焼き付けて、さらに「それぞれの人生」へと羽ばたいて欲しいと思います。

 

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