Y字路の途中
「卒業しないで」なんて言葉を軽く言えなくなってしまった。
悲しいけれど新たな道に進む人はあまりにも美しい。
最後だから?かもしれないけれど、モーニング娘。として最高の飯窪春菜を魅せてくれた。
いつも端っこで困った顔をしながら踊ってた茶色い少女が、他人を持ち上げて自分の事を下げて自分の居場所を見つけていた少女が、
晴れ晴れとした誇らしい笑顔で、真ん中で堂々と歌って踊る所を見られるなんて。
私はずっとこれが見たかったんだ。
飯窪春菜、23歳。16歳(高校2年生)でモーニング娘。10期メンバー加入。当時としては珍しい高校生での加入だった。はるなんはオーディションに合格した時「すごい嬉しいです。今日で人生全部かかってたので。高校の進路希望に"モーニング娘。"って書けるのが嬉しいです。」と泣き笑いながら話していた。
就職か進学か。人生のY字路に立った16歳の少女は「モーニング娘。」に選ばれた。
歌やダンスが1番上手って訳じゃ無かったけれどたくさんのメンバーに信頼されて、愛されて。歌、ダンス共に未経験からのスタート、年下の先輩、歳下の同期、バラエティへの進出、「学生気分」じゃ到底乗り切れなかったであろうモーニング娘。の濃い霧の中で彼女はたくさんの仲間と光を、輝きを手に入れた。
はるなんにアイドルっぽさとかを感じた事はあまりなかったけれど、閉鎖的だったモーニング娘。に外から色んなものを持って来てくれたし、何よりメンバーの味方でいてくれた。
丁寧な文字とメンバーと交わすハイタッチ、落ちサビのソロパート。
綺麗で清々しくて、前だけを見てて。
不思議と寂しさや悲しさを感じなくて。
彼女が選択した「モーニング娘。」の道は間違いじゃ無かった。
そして今、23歳になったあの時の少女はまた、新たなY字路の途中に立っている。
はるなんの選択が正しいか正しくないかなんて分からないけれど、新たな道を真っ直ぐに歩んでいくはるなんをずっとずっと応援したい。はるなんの味方でいたい。と感じた。
強がりたいけど絶対泣いちゃうだろうなぁ…
とりあえず卒コンまでにウォータープルーフのマスカラとアイライナーを買います。